【評価】9/10
結構古い漫画なので、純粋に最近読んでレビューという意味ではなく、是非知って欲しい漫画と言うことでレビューを書きます。
2008年現在、作者の満田拓也氏はMAJORを連載して、60巻を超える長期連載になり、アニメ化もする人気作となりましたが、私は「健太やります!」の方が、ずっとずっと好きですし面白いと思っています。
MAJORはあくまで吾郎一人のサクセスストーリーであり、学生時代のチームメイトは、言葉は悪いですが、あくまで使い捨てです。その時代を過ぎればほとんど出てこなくなり、存在すら忘れてしまいます。それがMAJORに若干違和感を覚えるところです。逆に、この漫画は高校の3年間、実質2年間を濃密に描き、登場人物も使い捨てではなく、最後までじっくり描き、非常にキャラが魅力的になっています。作風やコンセプトの違いと言ってしまえばそれまでですけどね。私個人は、作風やコンセプトも含めて、健太の方が圧倒的に好きで面白く感じたという事です。 ちなみに評価のマイナス1点は最後の4だけです。逆に言えば、これだけで漫画全体の評価を1つ下げてしまったとも言えるわけで…。健太が前田と並ぶほどの長身になるとかあり得ないです。やっちゃいけないことしちゃいましたね…。MAJORとの比較等、脇道の話はこれくらいにして、健太の漫画自体の話に戻ります。
この漫画は、バレーボールの、いわゆる典型的なスポ根漫画なのですが、今のバレーのルールと違います。今のバレーは、ラリーポイント制(サーブ権に関係無くラリーに勝ったチームに得点が入る)なのですが、当時のバレーもこの漫画内のバレーもサイドアウト制(サーブ権を持っているチームがラリーに勝った場合にのみ得点)です。ずっとアニメ化して欲しいと思っていたのですが、1999年に改訂されたこのルールで、アニメ化の目は完全に消えました。非常に残念です。
主人公の健太は身長が低く性格も弱気で、レシーブこそ得意ですが、それ以外はダメダメです。そんな健太が周りのチームメイトに支えられながら、無敵の誠陵を倒すことを目標に物語は進んでいきます。
この漫画の何が良いって、キャラクターが立っているところ。つまりキャラクターがみんな魅力的です。チームメイトそれぞれのサイドストーリーもしっかり描かれているので、本当に魅力があるキャラクターばかりです。その魅力あるキャラクターが、ひとつのチームになって話は進んでいくので、脇役が集まっていると言うだけではなく、感覚的にはオールスターみたいに、豪華で、話に深みが感じられます。ひとつの発言にしても、キャラクターのバックボーンがしっかりしているので、発言の裏にある真意や心境まで読者は読み取れるほどです。
健太に訪れる困難も、次から次へと難解なものばかり。チームメイトの怪我、内紛、コーチ、旧友。これらの困難をチームメイトと協力しながら解決していきます。健太のキャプテンシーは、自ら引っ張ると言うものではなく、チームメイトに助けられながらと言うものなので、共感を得られるのかも知れません。
一応この漫画には女性キャラクターも出ますし、誰々に憧れているとか、ちょっとした恋愛感情の話は出ますが、基本的に恋愛の話はありません。いくら基本はスポ根漫画だとは言え、全18巻を通して、これほど恋愛要素を排除した漫画も珍しいと思います。その分、余計な横道に逸れずに、純粋にバレーの話、友情の話を進められたので、これはこれでありだと思いますけどね。 そして何より特徴的なのが、この漫画は泣けるシーンが多いです。漫画で泣く事なんてそうは無いと思うのですが、何回読んでも涙ぐんでしまうシーンがあります。 そこで、最後の4ページの話に戻りますが…あれは無いでしょう。健太は、ハンデがあっても努力したり、チームメイトと協力すれば、そんなハンデは克服できると言う話を、ずっと一貫して進めてきたのに、前田と並ぶほどの身長になっちゃうとか…。絵的に違和感があると言うだけではなく、今までの物語自体も否定してしまっているようで残念です。
最後の4パージに不満はあるものの、スポ根もの好きな人には絶対にお勧めです。スポ根ものと言っても、古臭いわけでも無く、暑苦しいわけでも無いので、余程このジャンルに抵抗がない限り、万人が楽しめる漫画だと思うので、絶対にお勧めの漫画です。
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